エステティシャンが癒される瞬間

2024年07月10日 11:28

少し前になりますが、エステの仕事を頂いている旅館内サロンでのこと。

結構忙しい日で、私はエナジー60分コースのお客様の担当をしておりましたが、終了して直後に、急遽90分のオイルリンパのお客様の追加がありました。
正直ちょっと疲れておりまして、顔ではニコニコしながらも
「あーしんど( 一一)・・・」と思いながら施術を始めました💦
終了したのが午前0時近くだったと記憶していますが、お客様が着替えを済ませ受付にお見えになりますと
開口一番「あ~気持ちよかった~」とおっしゃいました。

私「お疲れ様でございました。どうもありがとうございます」
・・・と受け応えしたところまではよくある会話なのですが、立て続けにこうおっしゃいました。

「ほんっっっとに良かった!すごい配慮もしてくれて、最後の最後まで気合いが入っているのが伝わりました。
実は今日、嫌なことが続いて落ち込んでいたんですが、お陰で救われました。流石プロだなと思いました。
やってよかったぁ~!ぐっすり眠れそうです。ありがとうございました~。」

この仕事をやっていて褒められたり感謝されたりということはよくあるのですが、こんなに気持ちの入った感謝の言葉を述べていただいたのは初めてでした。
私「そうでしたか。少しでもお役に立てれたなら良かったです。ありがとうございます」
疲れが一気に吹っ飛ぶ瞬間ですよね。
受付け時間をとうに過ぎてからのご予約だったので、ご本人も迷ったことでしょうがお受けして本当に良かったと思いました。

「忙しさ」でいえば、この業界は今は昔よりはずっと楽な時代ですが、その分自分は「歳をとる」わけで、体力は落ちる一方です。
慣れとともに力の配分や合理的な施術法などは身につきますが、お客様に「手抜き」をしているように受取られたら終わりです。
長年やっておりますと不思議なもので、多少疲れてはいても、知らず知らずのうちに身に付いた「最後まで頑張ろう」スイッチが作動し、「嫌な日」で終わるはずだったお客様の1日の最後を癒すことが出来たのだと思います。

よく言われることですが、「お客様が気持ち良いということは、その分施術者はしんどい思いをしている」
ある意味真理だと思います。
しかし終わったあとの「気持ち良かったです。ありがとう」の一言はそのしんどさをかなり軽減してくれます。
こちらもつい、自然な笑顔がこぼれてしまいます(^^;

旅館では初見のお客様が圧倒的に多いので、毎回緊張感はそれなりにあります。
しかし長いことやっておりますと、どうしても気持ちに緩慢さが出てきてしまいます。そんな時に、前出のようなお褒めの言葉を頂き、ハッと目が覚める思いでした。
その日は本当に良いお客様に恵まれたものだと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。まさにこちらが「癒された」瞬間です。
大げさですが、「お前のやってきたことは間違っていない」と、何かに今までの自分を肯定されたような気持ち、とでも言えばよいでしょうか。

生きていれば色んなことに悩まされ続けるものですが、こんなに嬉しいこともあるものだ、人生は面白いものだな、とつくづく感じた次第でございます・・・( ̄▽ ̄)

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